自分の再建の心配だけすれば良いと思う
新潟県糸魚川市の大規模火災はどうやら鍋の空焚きが原因らしいのだが、SNSなどではこれで店主の首を取れって勢いのコメントがやたらと目に付いて引いてしまうね。
店舗の火災と広範囲の延焼は分けて考えるべきだと思う。どこででも起こるうっかりミスの火災で何故140軒も燃えるのかと。
この火災は山火事や震災のような特殊なものではない。ただの店舗厨房のぼやで済むようなものだ。広がったってせいぜい何軒か先程度だろう。それが町が一つなくなるほどの規模に拡大した原因について追求する必要がある。というのも、今回この店主がミスをしなくても他の誰かがミスをすれば同じことが起こったと思われるからだ。何千人も住んでいる町で誰一人として一切ミスをしないことが前提なんておかしいとは思わないか?
これと似たようなことは日本にはいくらでもある。
たとえば、高速道路でバスが単独事故を起こしたらガードレールが左側にいた乗客全てを切り裂いた事故だって、運転手はショボい接触事故を起こしただけだ。本来は衝突の衝撃で軽症者が出る程度の物損事故に毛が生えたような事故で済むところが大惨事となった。にも拘らず、運転手だけが逮捕され世間からも責められ、肝心の殺人ガードレールの設計を承認した人のいる組織が何らかのペナルティを受けた話は聞かない。
最近の話では、建設現場の足場解体でうっかり単管を落としたら下を歩いている人を死なせてしまう事故があったが、これも手を滑らせた作業員だけが責められている。
うっかりミスをしてもそれがいちいち死亡事故に繋がったりしないよう安全対策をするべき企業や、それを監督する官庁はお咎め無しだ。
今回の火災も都市計画税なんて名前の税金を取りながらショボい火災が町全体に延焼するのを放置していた人なり組織に責任があると思う。
店主は自分の再建の心配だけすれば良い。
と思っていたら、こんなニュースがあった。
新潟県糸魚川市の大規模火災で、市災害対策本部は24日、被害を受けた住民が200人規模になるとの見通しを示した。また、現場周辺の住民に対する避難勧告と立ち入り規制を全面解除し、がれきの撤去作業を始めた。
〔写真特集〕新潟県糸魚川市で大規模火災
県警と市消防本部は同日、合同で実施していた火災現場の実況見分を終了。市対策本部は25日にも、家屋の被害状況を公表する。
新潟県糸魚川市で始まった大規模火災からの復旧作業=24日午後、同市
市対策本部は被害者数について、延焼した範囲の住民票などから推計した。
同本部は24日午前、住民らを対象に現場への一時立ち入りを認めた後、避難勧告の解除とともに、午後に立ち入り規制を全面解除した。住民や事業者など関係者以外の規制は継続する。
避難勧告は火災が発生した22日、363世帯744人を対象に出していた。(2016/12/24-20:01)
空き家が適切に撤去されていれば焼け止まりになる敷地がたくさんあって、空き地は焼け止まりになるし消火活動もしやすくて、ここまで燃え広がらなかった可能性があるね。
空き家って結局のところ土地の固定資産税を1/6にするために放置しているという場合が多いと思うんだよね。なので、これは土地の固定資産税を1/6にするのをやめて建物に税金掛けるのをやめれば解決すると思う。
現状で得をしているのは、都心に戸建を持っている人だ。坪1億の土地だろうが私が住んでいる坪10万の土地だろうが、1/6にディスカウントされる。割合は同じだが、額にするとものすごいことになる。一方建物はというと、少々贅沢に建てたところで固定資産税は大きくは変わらない。結局のところ都心に住む富裕層のためにある税制なのは間違いない。
住宅が建っていれば1/6にするのをやめて建物の固定資産税をゼロにしても、都市部から適切に固定資産税を取れることを前提に税額を見直せば、近郊の中間層は困ることは無いと思う。どうしても都市部に住みたい人は高層住宅にして床面積で割り勘にすれば無理な課税は受けない。
今回の大火が空き家のせいで延焼したのかはわからないが、放置された空き家が防災上よくないのは間違いない。
ブログランキングに参加しています。 |
![]() ![]() ![]() |
Posted: 2016年12月24日 11:43 AM under 3:日記.
Comments: none